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着ぐるみ製作メモ・その1 (原型製作)
01-01 設計図

まず最初は、原寸の設計図(型紙)を起こしてみます。と言っても正面図と側面図だけ。

某汎用面を参考に、「ぷに感」強め、しかも汎用の原型としても使えるような図を起こすことに。

この段階で決めておかないといけないのは輪郭と、鼻と口の位置なので、目と眉はまあ適当です。

むしろ目とかは後でちゃんと設計すればそれっぽく見えるはずだし(笑)
※現時点で注意すべき点は目のところに二次曲面を作らないことw

そしてこのままだとプリンタでは大きすぎて印刷できないので、半分の大きさにしてプリンタで印刷、コピー機で2倍に拡大コピーして型紙として利用です。
(あるいはA3サイズのPDFファイルに出力して、セブンイレブンのコピー機で印刷という手も)

 

01-02 発泡スチロールのカット

印刷した型紙を以下のような感じで30cm角の発泡スチロール(東急ハンズで購入)に書き写します。
頭の部分が一回り大きくなっているのは、髪の部分を盛り上げてウィッグの毛を節約するため。
でも必要なところはウィッグの毛の下にスポンジを盛るので、ここまで大きくしなくても、5mm程度の盛り上げで十分なような気がします。

これを、自作大型スチロールカッターにて切断します。

ヤフオクで材料のセットが売られているので、それを入手。
次のような構造です。

上部に張った紐にテンションを調整するゴム、その下にステンレス線、小さな穴を空けた木の板を通して、銅線を接続。 そのステンレス線に調光コントローラーで電圧を調整した100Vを流すことで発泡スチロールをカットする、というものです。
(調光コントローラーだけで100Vを流すというのはちょっと危険なんだけど…まあ、たぶん、電力が強すぎるとステンレス線が焼き切れるヒューズとしての作用がある…のかな?)

最初は、調光コントローラを0にしてから電源プラグを差し込み、発泡スチロールが切れるようになるまで少しずつ慎重に、電圧を上げていきます。

カット後はこんな感じ。

ここで、大量のゴミが出ますが、一つだけサルベージ。それは、頭の後ろの部分です。

なぜなら、これをもうちょっと形ができてから接着することで、縦置きする際の「土台」になるというわけです。

手持ち式のスチロールカッター
(ハッコー・スチロールカッター(http://www.hakko.com/japan/products/hakko_styrol_cutter.html))
で大雑把にカット。ここからは削って成形です。

01-03 発泡スチロールの荒削り

私は、「盛る造形」より「削る造形」のほうがやりやすいので、削り出しで作っていく方向で進めていきます。

発泡スチロールを削るのに、「NTドレッサー」(http://www.ntcutter.co.jp/l-730.htm)の「大荒目」を使います。
(※写真ではパッケージは「中目」となっています。それは、「中目」が最初についていたのを買ったのですが、削れなかったのでヤスリ部分だけ「大荒目」に交換したからです(笑))


その際、大量の削りカスが出るので、それが飛び散らないように巨大な透明のビニール袋内で作業すると、後始末は掃除機で袋の中を吸い取るだけなので超楽です。 ビニール袋越しに見て作業する感じで。

一回り大きくなっている頭部分から削っていって、それに合わせて下半分を削っていく感じです。
左右のバランスを確認するのにもう一度線をマーカーで引いてみました。

01-04 発泡スチロールの研磨

粗く削った後は、紙やすり(#120と#240)や、
3Mの「スポンジ研磨材」(http://www.mmm.co.jp/asd/products/spg_kenma/)で、ディテールを出していきます。

削り過ぎると盛り直すのが面倒なので削り過ぎないよう慎重に…

こちらの原型は、鼻の部分を後で盛ってきちんと整形する方法を試すつもりだったので、鼻の部分が適当です。

01-05 表面仕上げ

このままだと、発泡スチロールの「目」が出ているので、目止めのために、
「セメダイン・穴埋めパテ」(http://www.cemedine.co.jp/product/domestic/putty/wood_putty.html) か、
「リキテックス・モデリングペースト」(http://www.bonnycolart.co.jp/item/2007/09/110_4.html)を
表面に塗っていきます。

ここで楽できる方法が、
「穴うめパテ」を水とアクリル溶剤を1:1で混ぜたもので溶いて、コンプレッサーとスプレーガンで吹き付ける方法でした。
溶剤がすぐ揮発するのでタレることなく吹きつけできて効率がいいようです。それほど溶剤も要らないし〜

厚い層になるまで何度も塗って(吹きつけて)いきます。

01-06 研磨と修正

スポンジ研磨材の「ファイン」(#240〜#320相当)で表面を平滑にしつつ、形に納得のいかないところはパテを盛ったり削ったりで修正していきます。

もうこの作業が気が遠くなりそうで…

01-07 原型完成

何度もパテ盛り、研磨、修正を繰り返し、納得のいく形になったところで原型完成です。

さて、2つめに作った原型においてこだわったこと。

汎用性を重視して、(今回、この原型で数キャラ分を構想しているので)
1つめのときより小ぶりに作ってみました。
とはいえシグマの標準的な大きさくらいですが。

あとは、ちょっと顎のラインをシャープな感じにしたのも、汎用性を意識してみた結果です。
髪を結髪するところを出っ張らせる部分は、こめかみ部分が浮かないようにサイドは控えめにしてみました。

光の方向を意図的にコントロールしにくい屋外での運用重視なので、
前回同様に、エッジを立てないように気をつけてみました。
エッジが立つと光によっては「ホームベース」みたいになるんだもんw
撮影に使ったこのきつい光でも大きくは破綻してないはず…
あと、あんまり極端に「しもぶくれ」にすると、ローアングルに弱くなるのでほどほどに(笑)

鼻は、前ほど「三角ゾーン」が出ないように気をつけたつもりですが… 口はどうせキャラごとに作り分ける必要があるので、大体できていればいいや、という感じですw


→その2に続く